国家的事業の下、2050年カーボンニュートラルの実現に向けてCO2 排出量全体の約 3 分の 1 をも占める住宅・建築物について、エネルギー消費・CO2排出のさらなる削減が求められています。
そのための重要なひとつとして、2024年4月以降に省エネ法に基づく省エネ性能ラベルの表示が始まりました。
この制度の内容は、販売・賃貸事業者が建築物の省エネ性能を広告等に表示することで、消費者等が建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度です。
住宅・建築物のゼロ・エネ化のために必要なのは、誰もが「省エネ性能で建物を選べる」ようにすること。そうする事で消費者のマインドが変わり消費者が求めるようになる。そこで事業者の意識も変わる。その循環を促す一環として、2024 年 4 月から住宅・建築物を販売・賃貸する事業者に省エネ性能ラベルの表示が努力義務となった、と私は考えています。
2024年4月以降の建築確認を取得し、建設工事をする建物から省エネ性能表示制度の対象となるので早くても今年の終わりごろの物件ではないでしょうか。
ちなみに注文住宅はこの制度の対象外です。
この制度のおかげで消費者は高断熱で快適な住まいを選択しやすくなる良い点があります。
懸念する点としては物価高騰の世の中で高断熱化をする事は建設費が掛かります。そのせいで販売価格や賃料に影響がでそうだなとも感じています。
この表示の目安光熱費も全国統一の燃料単価を乗じて年間の光熱費を算出しているので、販売や賃貸現場で「言ってたのと違う」とのお話になる事もありそうだなと考えたりもします。
これから我々業者はよりお客様の立場に立って住まうことの提案をしていかねば、と再考する新制度の始まりです。